深視力検査とは?
一種普通免許や二輪免許のみをお持ちの方などには馴染みのない言葉かもしれません。しかし、一部の運転免許に関してはクリアすることが必須条件となります。こればかりは運転の上手い下手、知識などとは関係ない話になってきます。
どんな検査?
三桿法の奥行知覚検査器によって測定します。具体的には2.5m先に3本の棒があり、そのうち真ん中の1本が前後に動きます。まぁ、実際には鏡により反射させており、物理的に2.5m離れていない場合が殆どですが。これが両側の棒と同じ位置に来たと思ったらボタンを押す、という動作を3回連続で行い、平均誤差が2cm以内であることがこの検査に合格できる条件となります。ペースを掴むまでに数往復しても問題ありませんが、1回押してしまったら連続で3回押さなければなりません。
深視力検査を必要とする免許
これがまた複雑なんです
・準中型免許
・中型免許
・大型免許
・第二種免許(普通、中型、大型、牽引、大特)
・牽引免許
以上、なんですが、、、特例があるので注意が必要です。
それは「中型は8tに限る」「準中型は5tに限る」といった記載が免許証にある場合です。これらの免許証をお持ちの方は、現行の免許制度(2017年3月改正)になる以前に普通免許を取得された方かと思われます。当時は準中型や中型といった区分が存在しておらず、普通免許で運転できる範囲が今より広かった訳です。なので、既得権益いう事で保護され、上記の中型や準中型をお持ちの方は深視力検査は不要となります。
実際にクリアする方法
この深視力検査、実は苦手としている方の多い検査でもあります。筆者も上位免許取得の際には苦戦しました。自分自身の経験や、周りの上位免許保持者の経験から攻略法を紹介していこうと思います。
まずは健康管理
おいおいそんな話かよ!って思われる方も居られるかと思います。でも結構重要なんですよ。現代の日本人はスマホやパソコンの使用時間が長く、本人が思っている以上に眼を酷使しているんです。眼を休めておくだけでだいぶクリアできる確率がUPします。
・検査前日夜~検査直前までスマホやPCの画面を見るのを控える
・検査前夜は最低でも6時間以上睡眠を取る
これだけでだいぶマシになります。我々の目は知らず知らずのうちに疲れてるのです。
その場凌ぎのワザ
棒の太さが揃ったらボタンを押す!
まぁコレはまだ正攻法に近いです。3本の棒のうち真ん中の1本が前後に行き来して、要は揃ったポイントが分かればOKなのです。つまり棒の位置が前後にずれている時には真ん中の棒の太さは僅かに細く、もしくは太く見えるのです。そして棒の太さが完全に揃ったと思った瞬間に押せばOKです。しかし、これはそれなりに視力が良くないと厳しいと思います。立体視の感覚が劣っている方が、棒の太さの変化を感じるには最低でも視力1.0以上は必要かと思います。
音を聞け!
実際に検査を受けたことの無い方からすると、は?って思われると思います。あの機械の中で物理的に棒が動いているんですよ。なので真剣に音を聞けば、棒の動きが前後に切り替わる瞬間が分かるのでタイミングを計って押せばOK!というメカニズムです。しかし実際にはそこまでチョロくないんですよ。貴方がどこで検査を受けるかは分かりませんが、新規取得もしくはブルー免許の場合は運転免許試験場になるかと思います。周りが結構うるさい&最近の機械は静かなので中々分かりにくいかと思います。まぁ、再検査になると、別室のちょっと古めの機械の方へ連れて行かれるパターンが多いかと思いますので、そこなら多少は分かりやすいかと思われます。
それでも無理だった方
ちなみに筆者はそれでも無理でした。それでも解決法はあるのでご安心ください
専門店でメガネを作る
結局これが最後の砦であり、一番確実なんですよ。しかし注意してほしいのは、これは「最近なんか目悪くなってきたからメガネの度合わせよう~」って街のメガネ屋に行くのとは違います。行きつけのメガネ屋があるならまず相談しましょう。その時「運転免許の深視力検査で落ちた」とハッキリ伝えましょう。
行きつけの眼鏡屋などが無い方は
「(自分の住んでる地域) 深視力」
で検索してみてください。何故かと言うと、一般的なメガネ屋で深視力検査に対応できるメガネを作れるとは限らないからです。視力自体がどんなに良くてもパス出来ない方は多数いらっしゃいます。普通の視力と深視力は別物と思ってメガネ屋を調べてください。
これでメガネを作りに行くと斜視や斜位、乱視などが新たに発覚するケースが結構あるかと思います。筆者もそうでした。
おそらくこの記事を読まれている方の中に、「自分自身以外の眼から世界を見た経験がある」という方は居ないと思います。なに変なこと言ってるんだよオマエって?そうなんですよ。人間は自分自身の視界以外は経験せず、自身の見ている視界、見え方が普通だと思って生きてますので。ただ視力に関しては一般的な健康診断などでも検査を行いますので、具体的な数値にて良し悪しの程度を理解しやすいかと思います。しかし立体視の能力は普通の健康診断などでは測定しませんので、何も気付かずに生活している方も多いのです。
という訳で深視力にどうしても苦戦する、、、という方は専門店での測定、メガネ新調をオススメします。
まとめ
簡単に出来る事前準備から、小手先のテクニック、そして根本的な解決方法まで書いてみました。毎回毎回ビクビクしながら検査を受けるぐらいならメガネの新調をオススメします。一応補足ですが、仮に今までメガネ無しで裸眼だった方が、深視力のみパス出来ずにメガネを掛けてパスしたとしても、全ての車の運転に関してメガネが必要になる訳ではありません。「準中型、中型、大型、牽引、旅客車は眼鏡等」といった条件になり、深視力を要する範囲の車両を運転する際のみ、眼鏡が必要となります。
なお、免許条件違反は点数2点、反則金は普通車7000円、大型車9000円となります。